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BLの館『 メゾン・ブラン 』

こんにちは、オフィスラブものを主にオリジナルのBLを書いています。性描写を含むので18歳未満の方とにがてな方はまわれ、右して下さいね♪専門職ツンデレ受けの切ない話が多いですw無断転載を禁止しています。ご理解ください。
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 560000HIT記念 ~Good Morning Heartache ~ 後編

~Good Morning Heartache ~ 後編

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樋口介郎は『 週刊女性ヘブン 』のカメラマンである。と言っても正社員のお抱え記者ではなく、名刺には『 女性ヘブン 』と記載してあるが、実は都度契約のフリールポライターというのが正しい。

つまり、一発当たれば利益はそれなりだが、ふだんは貧乏極まりない。

樋口は自分の名前同様、仕事にも不満を持っていた。介郎なんて 名前をひとに説明するときには

「 介護の『 介 』に一郎次郎の『 郎 』です。」言うしかできない。

というと自分がつまらない人間になった気がするのだ。この歳で説明するのがあまりにもザンネンな感じだ。

仕事に対しても一様で、自分が貧乏なのはさておいて、


芸能人を侮蔑している。というかつまり、逆恨みだ。

なので きらびやかな芸能人の『 私生活 』をすっぱ抜くと樋口はそんな仕事に対する黒々とした想いが解消されていい

気分になるし財布も潤う。

という訳で今日も芸能人の尻を追っかけてスクープを狙う。

先日すっぱ抜いた『 羽生千里 』(はにゅうちさと)の記事はいい金になった。このために空港の到着ロビーで1週間張り

込んでようやく表れた羽生の後を付けたのだ。

羽生がイギリス郊外のスタジオで録音に籠ったのは判っていたが、いつ帰るとも判らない人間を待つのはたいそう骨が折

れた。

何万人ともおぼつかない人間の中からただ一人を見つけることの困難さにうんざりし他のは3日の朝だった。それでも根

性で食らいついた。何しろ今月の家賃が払えないのと食うに困るのは確実だからだ。

貧乏が樋口という人間に根性を与えた。


サングラス姿の羽生を見つけた時は胸躍る感情のあまり到着ロビーで「よっしゃ!」と思わずガッツポーズをした。隣で集

合中のツアー客が怪訝な目を自分に向けたがそんなこと、どうでもよい。

現れた千里はたぶんブランドものの大き目のサングラスをしてローライズのジーンズに白のパーカーにチャコールグレー

を基盤にしたチェック柄のコートを着て決して派手なわけではないのだがさすがに

芸能人らしくセンスのいいセレクト姿で現れた。

サングラス姿でその辺の一般人と線をおいて自然と一目を惹いている。デビューしてまだ一年なのだが、羽生千里はそ

ういう華を持っている。、といっても樋口にとっては飯の種が魅力的だろうが

そんなことは関係ない。メシの種になるかならないか。樋口にとって世界はその2点で構成されている。そして羽生千里は

前者だ。

‌芸能人のマンションを探し当てるにはこの方法しかない。__つまり、後を付けるのだ。

そうして羽入千里が消えたマンションを突き止めた。大きなマンションでおそらく築2,3年も経っていないだろう、マンション

の一部屋に入って行くのを確認すると樋口はようやく人心地をついた。

何号室かはこう離れていては文字は読み取れないが、外に面している廊下中央部に当たる部屋に羽生千里の姿が消え

た。よし。場所は覚えた。ここからもまた長期戦だ。

羽生千里はシンガーソングライターである。年は確か21才。およそ一年程前に突然と現れてミュージックシーンの話題を

さらっっていった。繊細そうで華やかな容貌とシルキーボイスで

世の女性達をたちまち魅了してしまった。前回のシングルではオリコンは初登場1位をマークし、今、一番旬なシンガーと

いえる。その羽生千里に張りついていればなにかしらスクープになるに違いない。というのが樋口の算段であったが。


張り付いてわずか一時間後に樋口は1週間をかけた張り込みの成果に踊り出しそうになった。なんと羽生千里が消えたド

アが開いて、中からロングヘアの女性が出てきたのである。


樋口はとっさに掴んだカメラで激写した。この時ほど自分がカメラをやってて良かった!俺は天才だ!などと思った。

感銘は多少間違っていたけれどカメラに対する歪んだ愛情もこれが金になると思えば

いろんな意味で糊塗できるものである。女性はマンションから出て人ごみに紛れて見失ってしまったが、部屋の中から出

てきたのだから、また来るだろう。と思って樋口は携帯を取り出すと


いつもは気の進まない番号を呼び出して、相手が出るや出ないかで興奮した声で第一声を発した。思えばここ1週間ひと

と話してなかったなあ。と思いつつ


「スクープです!編集長!一面開けといて下さい!あ、カラーですよ!カラー!!」









このようにして羽生千里のスクープが紙媒体となって世間に流出したのである。





『 羽生千里、入籍か!? 』


一度部屋から女性が出てきたくらいで何故入籍になるのかはこの世界のナゾなのだが、いかんせん、売れればいいので

ある、が 『 週刊ヘブン 』のポリシーでもあった。

そうして樋口は遅延していた3か月分の家賃を支払い。景気づけのビールを買いこみ、千里の消えた、そして女性が出て

きたマンションのドアが見えるところに陣取り。ひとり乾杯のビールを楽しんだのであった。

次のスクープは惜しむらくは顔を取れなかった『 彼女 』の顔を望遠レンズで取るべく、張り切って寝袋持参である。


しかし紙面に流れたせいか1日が過ぎ、、2日が過ぎ、、3日目の朝を迎え、、、。樋口はじりじりと焦り始めた。あれから女

性の姿はもちろん、羽生千里の姿さえも見れない、

マネージャーらしき人も見ないし、すっぱ抜かれたにせよ、誰かが服を取りにくるはずだ。なのにこの3日間誰も出入りして

いない。

次に顔を写した時には、編集長賞で原稿料とは別に金一封がふところに入る算段なのである。そしたら樋口はすっかりご

無沙汰だったガールズバーにしけこむつもりだった。


なのに、女性の姿はしょうがないにせよ、千里も帰ってくる気配が無いのは何故なのか、、、、。

「まさか、編集部に行ってた間に帰ってきたんじゃないだろうな、、、」

樋口はじりじりと迫る焦りとここでスクープを取り損なってたまるものか、というパパラッチ魂の間に揺れ始めた。


場所もマンションの一階の庭にアングルのいい所を陣取っている。部屋のドアもばっちり映る距離だ。望遠レンズで 『 2

03号室 』を狙う。今度こそは顔も取り逃がさない距離だ。

マンションのなかには入れないが、吹きさらしの廊下は写真を撮るにはばっちりな距離だ。樋口は寝不足の目を血走らせ

て『 203号室 』に釘づけになった。まさか、このまま帰ってこないんじゃないだろうな、、

焦りは禁物と知りながらもここ10日も風呂に入っていない。いい加減、家でさっぱりしてビールをかっくらいたいところだ。

なんとしても負けてたまるものか。と脚立をセットして『 203号室 』の監視人となって千里のスクープを取ってから3日目

の夕暮れ時、事態は急激に動いた。


キュキュキュと小気味のいいタイヤの音とスポーツタイプのエンジン音がなったと思ったら、車一台駐車スペースに入って

きた。

樋口はピュウと思わず口笛を吹いてしまった。夕暮れ時から街頭の灯りに切り替わる時間。そんな光を照り返し磨き込ま

れている車体は 黒のフェアレディZ、しかも去年のモデルだ。

樋口の憧れの車だ。いつか金持ちになってこんな車に乗るんだ___!と免許を持ってないが樋口の妄想の対象だった

車だ。

車からは背の高い、紳士然とした30代半ばとみられる男性が出てきて、助手席のドアを開けた。

すると中からすらりとした足が出てきた。すんなりとのびた足は黒のストッキング姿も悩ましい。ブラックのベルベットのワ

ンピースを着たロングヘアの女性が出てきた。毛先をくるりと巻いて

富裕層の女性にありがちな 『 巻き 』が入っている。

タイトなシルエットのワンピースがすんなりと伸びた肢体によく似会って、赤いルージュを付けた姿がやけにこの車に似

合っていた。

一瞬ぼうっと見とれたのだが、あれ?

どこかで見たような女だ。どこでだろう?出てきそうなのになかなか出てこない。

そんな樋口を一瞥した後、似合いのカップルがマンションのエントランスに消えて行く。響くのは女性のヒールの音だけだ。

数瞬音が消えたのはエレベーターに乗ったせいだとわかった

ポンと軽い音が鳴るとエレベーターからカップルが降りてきた。

なんだ、2階の住人か、樋口は一瞬階段を使えよ、と庶民根性で思ってしまった。パパラッチも『エコ』の時代なのだ。自称

ではあるが、、

再び女のヒールの音がかつかつと静かなマンションの廊下を響くと、いくつものドアの並ぶ中、カツ。と止まった。


「待ってて、、、」

女性が男にそう告げるとポーチから鍵を探す音が鳴った。そしてそこは_____



「 『 203号室 』____!」


樋口は一瞬なにが起こったのか把握できなかった。思えばこれが彼の不幸の始まりなのである。

思わず握ってしまったカメラの望遠レンズから眺めると背の高い男が『 女 』をドアに追い詰めた。

「ちょ、、、ちょっと、、、みやぞ、、、、ん、、、、」




思わずカシャりと取ってしまったのは悲しいカメラマン根性だ。壁どん、、、カメラマンになって10年目、いろんなスター達を追いかけてきてが、こんな風に本物を見たのははじめてだ。


まして万年彼女無しの自分には経験も無い、、、。


「あ、、、、はあ、、、、、やぞのさん、、、や、、」


「ゴメン、あまりに美味しそうだったから。」

涙で潤んだ瞳に抗議を含んで見上げた『 女 』に背の高い男がやんわりと微笑んだ。「全部片付いたら食事に行こう。」

「うん、、、じゃない、、、はい。」


そうして『 カップル 』は『 203号室 』消えて行った______。


その様子を見ていた樋口はようやく、

「あれ?」

と、ある現実に気が付いた。あそこは203号室、そして千里がイギリスから帰ってきてきれたのは203号室のドア、、、

1時間後にストレートのロングへアの女性が出てきたのは203号室、、、

あれ、、、?


う、うそだろ!?間違えてたのか??!樋口は軽いパニック状態に陥った。部屋を間違えてたなんて凡ミス、今さら許されないぞ。編集長の油多にも「次のスクープも楽しみにしといてくださいよ!」と豪語してきたのだ。

恐慌状態に陥った樋口の背後から


「ちょっと、君!」

と警官に呼ばれて樋口はさらに汗が流れるのを感じた。

「君、ここで何をしてるんだ!マンションの住人から通報があったんだ。怪しい男がカメラで盗撮してるって、署まで来てもらおうか!」


「あ。いえ、俺は!その、写真、、っ写真とってただけで___」言い訳をしようとするだけますます怪しまれたのが解った。

「こんなところで何の写真を撮っていたというのかね!?」

「いえ、、その、俺は、その、羽生の、、いえ、写真を、、、、」

「マンションの住人を盗撮していたのかね!来なさい!現行犯逮捕する!」


ガシャリと手に嵌められたのは手錠、、、「う、、うそだろ、、、!!」

悲劇のやとわれ記者、樋口が編集長に回収されるまでその後3日間かかったのは樋口という人間が 

『 週刊、女性ヘブン 』になんらメリットが無かったからであり、

そのままでは体裁が悪いのでしぶしぶ引き取られてしまったのである。しかも、部屋を間違えました。と白状させられて、

樋口は完全に見捨てられた。『 週間ヘブン 』 はその後のお詫び記事を載せるはめになった

油多も当然減俸ものである。









おまけに続く。





こんにちは。雪村です。(*'▽')今さらながらに大変恐縮なのですが、56万歩目踏んだかも~(*'▽')の足跡に下記画像(まったり長谷川さん)をぽち♪と押してあげてください♪(*´ω`)

56万歩 記念に短編(←?)の後編です♬心ならずもBLぽくない展開になってしまいました。という訳でおまけに続くでありマス( ;∀;)あい、スミマテン、、、。(ノД`)・゜・。よ、予想以上に書きたいことがあって長い、、(∩´∀`)∩アハン♬
Bar Midas Touchiもそういえばおまけで片付いたですね、、( ;∀;)あっ前に掲載した文章を読んで頂いてありがとうございます♬(´ω`*)きゃお~!って喜んでますwやはり読んで頂けることが嬉しく、もっと文章も絵も上達したいのですが、
そこはスロースターター( ;∀;)ぎゃふん


なかなか計画的に行きません。( ;∀;)アウウ

!





SEE YOU NEXT STAGE♪再見♪ヾ(  ´  ∇  `  )ノ

雪村せつな 拝



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